A組のリイチくん

「笑顔の素敵な優しい男の子?」

「うん!」

「誰」

「……へ?」

「それ。誰のこと言ってるの」


リイチくんがシャーペンを動かす手を止め、こっちを向く。


「だ、誰でもないよ?」


あくまで、理想っていうか。

そんな男の子だと一緒にいて安心できちゃうというか。


俺様は怖いよ!


「隠すの?」

「隠して……ないよ」

「そうだよね。キヨちゃんは。俺との約束守れる、いい子だもんね」
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