あの滑走路の向こう側へ✈︎✈︎✈︎

五、研修を言い訳に



12月、人肌が恋しくなる季節、
美香は何となく、東京行きの航空券を予約した。

イルミネーションで華やぐ羽田から
真樹に連絡してみたが、
クリスマス商戦の展示会で忙しいようで、
会えないまま、美香は帰った。

やっぱり約束もなく会いに行くのはツライなと、
思いあぐねていた美香に、
羽田の研修の話が打診された。

小雪の舞う頃、
美香は羽田に降り立った。

1週間の研修の中休みに、
美香は真樹と会う約束を取り付けた。

「研修はどう?」
「こっちはスゴイよ、
 空港内にクリーニング屋さんがあってさ、
 タダなんだよ!
 私らなんて、自分で洗濯してアイロン
 かけてるってのに!」

あれこれ話す美香に、
真樹は静かにうなずいて聞いていた。


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