神埼探偵事務所


「おい、サクラ。携帯に連絡来てねえか?」


「携帯?達也君の事はブロックしてるけど。しかも着信拒否もしろって言ってきたの大河じゃん。」

「じゃあ、知らない番号からの電話は?」


「今のところ無いけど?」



既に❝平沢達也❞と云う人物には飽きてしまったのだろう。私を置いて席を立ち、辺りをぐるぐると歩き回っている幼馴染。

きっと、どうやって私と達也君の繋がりを探すのか考えているんだと思う。



私はそんな彼を余所目に、紐付けされてある達也君のお父さんの情報をクリックした。


「平沢健一、か。」


写真欄には、アメリカ映画界の鬼才と言われているスティーブ・アレクサと肩を組んでいる物が使われていた。

今年で68歳になると言うのに、見た感じ肌にもハリが有るしイキイキしている様に思える。



特に気になる様な情報は無く、勿論前科も無く、興味の無い音楽を聞き流すかの様に情報を上から下にスクロールしていた時だった…。

所有者一覧のとある車種を見て、思わず指を止める。



いくら猪突猛進な性格をしているとは云え、物事を俯瞰する能力や洞察力では日本に…いや、世界に右に出る者は居ないと思われる大河が、そんな私を見て声をかけた。


「どうした?サクラ。」



「いやっ…何も無い。」





車種欄にあったのは、車検毎に買い替えられてはいるけれど、絶対に変わらないカタカナ6文字。



「何だあ?絶対何か有るだろ。見せてみろよ。」


「───……。いや、本当何もないって」


考えすぎだよね、そうだよね。



そう、自分を言い聞かせながら平然を装うとするけれど、そんな仕草が余計に大河に不信感を募らせたのだろう。

いとも簡単に、ノートパソコンを取り上げると私と同じく少し考えてから目を大きくした。






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