にびいろのなかのひかり 鈍色の中の光
水曜日の約束
「原さん、水曜日の約束覚えてますか?」
原さんの仕事が休みの水曜日に
一緒に出掛けませんか?って
だいぶ経ったけど覚えてるかな?
覚えてないか…
「うん…一緒に出掛けるって…」
「よかった…覚えててくれて
…
どこがいいか、私ずっと考えてて…
ベタだけど映画とかどーですか?」
デートぽいかな…って
「いいよ」
「何がいいですか?
なんか、観たいのとか…」
「なんでも…美波さんが観たいので…」
あ…原さん、興味ないな…
私に合わせてくれてる
「やっぱり…
映画、やめてもいいですか?
…
海、行きたい
原さんのバイクで…」
「オレも、考えてた…同じこと…」
考えてくれてたんだ
忘れてなかったことも
考えてくれてたことも
嬉しかった