にびいろのなかのひかり 鈍色の中の光
ガサ…
物音がして振り向いたら
優香がいた
「あ、来てたんだ…」
「うん…
でも、なんか、忙しそうだから
私、帰ろうかな…」
「え、何言ってんの…
来たばっかじゃん
別に忙しくなんか…
…
今の、聞いてた…?」
「…うん
ごめん、入ってきたら
ちょうど聞こえて…」
「でもオレ会う気なんてないから…
実家帰んないから
だから…」
「うん
私、今日は、帰るね…」
「なんで!優香…」
オレは優香の手を掴んだ
「会う前から断わるのも
失礼だよ
…
会ってみたら?」
「…なに言ってんの?
オレ、優香と付き合ってるよね?
…
オレじゃ…ダメなの?」
「まだ、付き合ったばっかりだから
わからないよ…」
「でも
ただ軽い気持ちで
付き合ってるわけじゃないし…」
「うん、ありがとう
…
だから、尚更…
相手の人も軽い気持ちじゃないと思うし
…
少し、考えてみたら?」
「少しって…
どれくらい?」
「…1週間
…
私も
考えたいから…」
そう言って優香はマンションを出て行った