君との想い出が風に乗って消えても(長編・旧)



 少し驚いた表情をしていた、加恋ちゃん。


「だってキスしたいって言ったでしょ」


 僕は加恋ちゃんの頬にキスをした。


「……優くん……」


 笑顔の加恋ちゃん。


 そうしている間に加恋ちゃんはチョコレートを食べ終えていた。


「加恋ちゃん……」


 僕は加恋ちゃんのことを見つめた。


「優くん……」


 加恋ちゃんも頬をピンク色に染めながら僕のことを見つめた。


 僕は加恋ちゃんのことを見つめ、そして……。


 加恋ちゃんにキスをした。


 ほのかに残るチョコレートの香りを感じながら……。









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