君との想い出が風に乗って消えても(長編・旧)



 これは……幻聴……?


 ……でも……きれいな歌声……。

 透き通ったきれいな……。


 …………。


 ……この歌声……。


 この歌声どこかで聞いたことが……。


 ……でも……いつ……?


 ……どこで……?


 思い出せない……。


 心の奥で何かがつかえているような……そんな気が……。


 ……それに……この歌声……。


 なぜだろう……。


 なぜか……。


 なぜか切ない気持ちになる……。


 苦しくて苦しくて……。


 胸の奥が何かで締め付けられているかのように……。


 ……息が……。


 息が……できなくなりそうなくらいに……。


 …………。


 ……あれ……?


 ……僕……。


 また涙が……。


 涙が出てくる……。


 涙が……。


 涙が止まらない……。


 悲しいよ……。


 どうして……どうして……。


 どうしてこんなにも悲しいの……?


 …………。


 ……あれ……?


 ……なんか……眠い……。


 なんでいきなり眠気が……。


 ……でも……ここで眠ったら……。


< 230 / 239 >

この作品をシェア

pagetop