君との想い出が風に乗って消えても(長編・旧)
……‼
僕は妻の呼びかけで我に返った。
「……う……ううん、何でもない」
僕は心のどこかで引っかかりながらも妻にそう言った。
「じゃあ、またね」
僕はもう一度、一輪の花やたくさんの草花たちにそう言った。
そして妻や娘や息子と一緒に歩き出した。
そのときもう一度、僕はそっと後ろを振り返った。
そして……。
心の中でこう言った……。
ありがとう……。
。.・.*.・.。・.*.・.。.・.*.・.。.・.
『優くん……』
『優くん、本当にありがとう……』
。.・.*.・.。・.*.・.。.・.*.・.。.・.
。.・.*.・end・。.*.・.