君との想い出が風に乗って消えても(長編・旧)



 ……‼


 僕は妻の呼びかけで我に返った。


「……う……ううん、何でもない」


 僕は心のどこかで引っかかりながらも妻にそう言った。


「じゃあ、またね」


 僕はもう一度、一輪の花やたくさんの草花たちにそう言った。


 そして妻や娘や息子と一緒に歩き出した。


 そのときもう一度、僕はそっと後ろを振り返った。


 そして……。


 心の中でこう言った……。





 ありがとう……。





  。.・.*.・.。・.*.・.。.・.*.・.。.・.





『優くん……』



『優くん、本当にありがとう……』





  。.・.*.・.。・.*.・.。.・.*.・.。.・.












 。.・.*.・end・。.*.・.









< 237 / 239 >

この作品をシェア

pagetop