君との想い出が風に乗って消えても(長編・旧)
好きで好きで……加恋ちゃんのすべてを僕が独り占めしたい。
「……わたしも……わたしも優くんのことが好き……」
幸せ……。
僕は加恋ちゃんと想いが通じ合うことができた。
それはとても幸せ。
でも……。
あまりにも幸せ過ぎて、その幸せが突然どこかに行ってしまうのではと不安にもなった。
僕は、その不安をかき消すかのようにより強く加恋ちゃんのことを抱きしめた。
「……優くん……?」
加恋ちゃんが僕の不安を感じ取ってしまったのか、少し心配そうに僕の名前を呼んだ。
僕は加恋ちゃんを心配にさせないようにやさしく包み込むように抱きしめた。
「加恋ちゃん、僕と一緒に幸せになろう」
「……優くん……」
「これ以上、幸せなことはないというくらいに加恋ちゃんと一緒に」
「……優くん……」
ずっとずっと一緒に……。
「……優くん……わたし、すごく幸せ」
「加恋ちゃん……」
「このままこの幸せが続いてくれたら……」
……え……?
「……加恋ちゃん……?」