虹の彼方へ～運命の赤い糸は１枚の写真～ 《シリーズ本編》

今日も親子は仲良く海辺を散歩している。

島の人達には見慣れた光景。

手をつないで微笑み合う。


この日は、潜るわけではなく癒やしを求めた無名のカメラマンが島に来ていた。

そしてその親子の光景を目にする。

思わず１枚シャッターを押しカメラにおさめる。


カメラマンは、この島唯一の宿に戻ると宿の主人に聞いた。こんな人口の少ない島に若い親子が居ることが不思議だった。高齢者ばかりだと聞いていた。

「さっき浜辺で凄く綺麗な女性と子供を見たんですが…」

「ああ奈々ちゃんの事かい？」

「あの女性は奈々さんと言うんですね」

「凄く美人だろう？それに気立ても良い。あんなに良い子はいないよ」とべた褒めの主人。

「男の子は？」

「凛くんと言って、奈々ちゃんの息子だよ」

「奈々さんのご主人は？」

「奈々ちゃんは、シングルマザーなんだよ。あんな良い子なのに信じられない」

と色々教えてもらった。