虹の彼方へ~運命の赤い糸は1枚の写真~  《シリーズ本編》
 お昼の営業も忙しく過ぎパートのふたりが帰った後、夜の準備に取りかかる。

 奧さんとふたりで調理していると「ただいま~」と元気な声。

「おかえりなさい」

「あっ、真奈美おかえり!お昼、電話鳴らしたんだけど!!」

 凄い勢いで娘に詰め寄る奥さん。

「お母さん、どうしたの??なんかあった?スマホ、マナーにしてて忘れてた」

「それが……。お父さんが、配達直前にぎっくり腰になって……」

「えっ。お昼の配達どうしたの?」

「急遽、奈々ちゃんが手伝ってくれて」

「奈々さん~。ありがとう」

 真奈美は、奈々が大好きで姉のように慕っている。

「それで、明日からどうしようかと真奈美が帰ったら相談しようと思って」

「お父さんの様子は?いつまで安静?」

「多分一週間くらいかと」

「じゃあ、明日から4日間どうするかだね」

 お得意様が土日休みの会社が多いので、弁当屋は土日に定休日にしている。


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