虹の彼方へ~運命の赤い糸は1枚の写真~  《シリーズ本編》
「蓮、昼前くらいに弁当屋に行ってみるか?」

「そうだな。海斗はその後どうする?」

「今日は夜に人と会う予定があるから、弁当屋で別れるよ」

「了解」


珍しく、のんびりな休日の午前中を過ごす蓮。


昨日から、何度かスマホを確認するが、着信がないのでその度にガッカリしている。

名前も知らない彼女。

まさか、同じマンションに住んでいるとは思わない。


「蓮そろそろ出るか?」

「そうだな」蓮はスマホと財布を持ち、ラフな格好で出掛ける準備を整える。

ふたりは揃って家を出た。

ふたりが並んで歩くとかなり目立つ。

エレベーターで下に行きコンシェルジュの前を通る。

今日は、若い男性と女性だ。
「おはようございます。いってらっしゃいませ」

ふたりを見ても顔色ひとつ変えない。柳田さんの人選なので完璧である。













< 55 / 127 >

この作品をシェア

pagetop