虹の彼方へ~運命の赤い糸は1枚の写真~  《シリーズ本編》
午後5時。
いつもの時間にニュース番組が始まる。

メインキャスターの蓮。

ゲストコメンテーターはいるものの、この番組にアシスタントにつく女性アナウンサーはいない。

番組開始当初は、蓮と女性アナウンサーのふたり体制だったのだが、番組視聴者からアシスタントがいらない、日比谷アナひとりがいいと意見や苦情が多数寄せられた。

当時抜擢された女性アナウンサーが、新人で蓮に好意があることが視聴者に伝わってしまい、特に女性の反感をかったのだ。

それ以来蓮がひとりで仕切っているが、評判はとても良い。


「こんにちは。サンライズニュース日比谷です。本日も、番組最後までお付き合い下さい」

蓮の挨拶から、番組が始まる。

夕方の時間。

蓮には拘りがあって、番組開始時間の17時時点で、まだ日没を迎えていない季節は『こんにちは』、日没後の季節は『こんばんは』で始まるのだ。

こうした、細かい気配りが視聴者の心を掴んでいるひとつでもある。







< 63 / 127 >

この作品をシェア

pagetop