虹の彼方へ~運命の赤い糸は1枚の写真~  《シリーズ本編》
商店街に着いた頃には8時を10分程過ぎていた。

『そよかぜ弁当』は、シャッターが下りているが横の扉から光が漏れている。

まだ帰っていない事を祈り、入口の見える目立たない位置に、壁に背を預け時間を潰す。

スマホを見ていると10分位たった頃、カチャっと扉を開ける音が聞こえた。

慌ててスマホから視線を扉へ向けた。

「お疲れ様でした」と聞こえたと同時に、会いたくて仕方なかった彼女の姿が。

蓮は思わず息をのむ。

彼女はまだ気づいていない。


扉を閉め顔を上げる奈々。

奈々を見つめる蓮。

視線が交差した。






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