おやすみのキスがないと眠れない。


まぁ、私もこの家にひとりで2年間暮らすよりも、ふたりの方が寂しくないし、良いのだけれど......。


相手は圭人ーー、つまり異性。


普通、親なら、娘が男と暮らす事になったら、心配するものじゃないの?


圭人とは幼なじみだから、家族ぐるみで付き合いがある。


だから、両親とも圭人がどういう人物なのかは知っている。


だからこその提案なのだと思うけれどーー。


というよりも、ちょっと待って、来てもらうことにしましたってーー、もう決定事項なの!?


私に拒否権はーー。



「圭人くん、家事出来ないから、瀬戸内さんも残していくの心配だったらしいの。だから、陽葵!よろしくね?」



無いらしい......。


圭人が家事出来ないのは知っていたけれど、頭いいんだから、どこでもついていけるはずなのに。


どうやら行かないと拒否したらしい。



「はぁ......分かったよ」



私の返事を聞いた両親は、安心した様だったけれど、私は不安しかない。

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