その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜



「姫野さんは少しマイナスに捉えすぎなんだね。そのおかげでうまくいっている部分もあるんだけど……」

「……?」

「じゃあどうして拒否したのか俺に教えて?それって俺と恋人関係のままでいいってことだよね?」

「それは……橘くんと今まで通りの関係に戻るのは、嫌だなって」

「嫌?」


その言葉に対してうなずくと、橘くんは笑う。


「うん、かわいい。あとは姫野さんから“好き”の言葉が出たら、完全に俺の姫野さんになるね」

「え……」

「そしたら結婚まで走れるんだ。お試しで同居とかしてみる?それか長期の旅行とかもいいね」

「旅行……?」

「うん、早くたくさん恋人らしいことしようね。
だから俺から離れないで」


いつものように優しい眼差しを向けられて、安心感を抱く自分がいて。

そんな彼と並んで歩きながら、駅へと向かった。

< 200 / 272 >

この作品をシェア

pagetop