その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜
きっとなにか裏があるはずだと思ったけれど。
「どうせならさ、このまま本当に付き合おうか?」
穏やかな笑みを浮かべる橘くんは、いつも通り冷静で。
だからこそ余計に、彼の言葉の理解に遅れてしまう。
本当に、付き合う……私と橘くんが!?
言葉の意味を理解したとき、ようやく私は勢いよく立ち上がった。
「む、無理です……!
私なんかが橘くんの彼女、務まるはずないです!」
たぶん、私を女除けとして使いたいのだろう。
そうだとしても、あまりにも不釣り合いだ。
「それに、誤解を解けばきっとみんなすぐにわかってくれ……」
「姫野さん、よく考えてみて。もし誤解を解いたとして、今度は逆にうわさを流した人物をみんなが探し出そうとするかもしれない。その人物が見つかったとして、タダで済むと思う?」
うわさを流した人物……きっと、私か橘くんをよく思っていない人だろう。