永遠、というものがあれば
愛してる、



という言葉に、俺も。と軽くキスをして、陽斗は部屋をでていったんだ…。



少しとまりかけた涙がまた溢れてくる。



本当に自分でもどうしちゃったの?と思うくらい、寂しくて。



陽斗に近くにいてほしかったの。



指輪という形をもらったせいかな?



私はさっきまで陽斗と一緒にいたベランダに出て、下を覗いた。



そこにタクシーに乗り込む陽斗の姿。



その時、陽斗がこちらに気づいて手を挙げた。



私はそんな偶然に驚きながら、一生懸命背伸びをして手を振ったんだ。



遠めに見ても、陽斗はいつものようにふっと笑って何かを大きく言うような口元を見せて、最後にもう一度手を軽く振ってからタクシーに乗り込んだ。



遠ざかって行くタクシーの後ろ姿から私は最後まで目が離せずにいた。



ふわふわと舞う雪の中、



アイシテル

イッテキマス



陽斗の残した言葉を噛み締めながら。
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