永遠、というものがあれば
その瞬間男が私の手をつかんだ。



陽斗…っ!



その時、



ガラガラッ!



ものすごい大きな音がして、



置いてあった資材が落ちてきた。



「キャー!」





痛い…。



ハァ、ハァ…。



息が苦しい。



「うわぁ!」



どこかに走っていく足音が聞こえる。



ゆっくりなんとか目を開けると、先の方にあの指輪が転がっていて、



私は手をのばして取ろうとするんだけど、腕が痛くてなかなか動かせなくて、



もうちょっと。




もうちょっと…。



指先が指輪に触れたのを見て私はまた目を閉じた。



陽斗…。



うすれゆく意識の中で、思い出すのは陽斗のことで。


アイシテル



最後に見た陽斗の笑顔を思い出しながら、一緒につぶやいて、



私は闇へと落ちていったんだ…。
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