永遠、というものがあれば
取材が終わったハルコさんからは、



注意散漫だったとお叱りがあったけど、次の取材も同行させてもらえることになった。



嬉しいけど、複雑。



彼の前に出ると、私が私でなくなる感じがする。



カッコイイから?



確かにそうだけど、また何かが違う気がする…。



その時にハルコさんがふと言った言葉に私は固まってしまった。



「あれで彼女がいなかったら最高なんだけどね〜」



「彼女、いるんですか?」


「アメリカにいるって。だから早めにあっちに帰るらしいよ」



「またアメリカに帰るんですか?」



ハルコさんはちょっと呆れた顔をして、



「さっき本人が言ってたじゃない。僕には誰よりも何よりも大事な人がいる、だからアメリカに帰るんだ、って」



だから注意力散漫だって。


というハルコさんの言葉が耳に入らない。



何、こんなにガッカリしちゃってんの?
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