【完】溺愛男子の愛し方

「……さっきのこと、嘘じゃないから」


「……さっきのことって……」


「……結婚……俺は、本気だから」


「!」


「……改めて、言うよ……美音が好きです。結婚を前提に、お付き合いさせてください」


……断われる訳、ないじゃん……


「……はい」


私と祐には、その二文字だけで十分だった


「美音!」


「わっ!」


私は急に抱きしめられて、バランスを崩しかけた


「……ありがとう」


肩に顔を置いている祐が、泣いているのがわかった


「……こちらこそ、ありがとう。ずっと待たせてたのに……」


そう言うと、祐が私を離した


「ほんとだよ。どれだけ待ったと思ってるの」


「ごめんってば」


私と祐は、笑い合った


すると、目の端で何かが光った


「あっ!星だよ、祐!」


「ほんとだ!」


見ると、夜空には、光り輝いている星たちがいくつもあった


「きれーい!」


私は、夜空に釘付けになっていた


「……美音」


祐に不意に呼ばれて、私は応えた


「ん~?な……」


チュッ……


ほんの一瞬の出来事だったけど、私にはスローモーションのような速さだった


「////!」


理解するのに、そう時間はいらなかった


「真っ赤にした美音も可愛い」


恋人となって、初めてのキス


祐とキスするのは初めてじゃないけど、私の顔が熱くなるには、十分だった


「……帰るか」


祐は後ろを向いて、山を下り始めた


「待ってよー!」


私も祐を追いかけた


夜空に満点の星が光り輝く中、私と祐は手を絡ませて家に帰った
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