【完】溺愛男子の愛し方

「抱っこ、変わろうか?」


「お願い」


私は素直に無理だと思って、聖矢くんを祐に預けた


一気に熱い原因がなくなって、楽になった


隣を見ると、祐は楽しそうに聖矢くんと遊んでいた


……こんな幸せそうな祐、久しぶりに見た


不思議だね、子どもって


血が繋がってる訳でもないのに、人を笑顔にしちゃう


祐だって笑いはするけど、自然と笑ってる所なんてあんまり見ない


すごいな~


二人を見ていると、祐がベビーカーに聖矢くんを乗せた


「三階、行こうか」


「うん」


三階に、文房具が置いてある


私と祐はエレベーターに乗って、三階まで行った


夏休みだからか、学生がたくさんいた


こんなの学校の人に見られでもしたら、一瞬で広がっちゃうじゃん


ただでさえ、祐は目立つのに……


さっきから、女の子や大人のお姉さんたちがチラチラと祐を見て、友だちや知り合いとキャーキャー言い合って、顔を赤くしている


どこに行ってもこれだから、慣れてるけど……


……今は、状況が状況


こんなベビーカーに赤ちゃんを乗せて、二人で歩いて押して……なんてしてたら、誰だって勘違いするに決まってる


何かヒソヒソとこっちを見て、話してたりするのが見えた


でも、話の内容は聞き取れなかった


本当に、勘違いです


私に子どもなんていないし、そもそも祐とは付き合ってもないです!


と、心の中で無駄な抵抗をしていた
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