病気の時は


 その週末から、結婚の準備を始めて。
 両家に挨拶を済ませて、私たちはすぐに一緒に住み始めた。
 はるちゃんが、とにかく早く一緒にいたい、と譲らなかったからだ。

 新居は、私が住んでいたところからほど近い2DK。
 引っ越しが終わって2人きりになって、はるちゃんは私を抱きしめた。
「今度から、千波さんが熱出したら、いつでも抱っこしてあげられるよ」
 そう言って、優しく笑う。
「じゃあはるちゃんが熱出したら、またアイス食べさせてあげるね」
 私も微笑みで返す。
 はるちゃんの顔が赤くなった。
「それは……今やってくれてもいいなあ」
「それは駄目」
「えっ、なんで?」
「熱出したら、やってあげる」
「えー、俺、滅多に熱なんか出さないのに」
「じゃあ、私にして」
「えっ」
「私が熱出したら、はるちゃんがアイス食べさせて」
 はるちゃんは、私の顔を見て、しばし固まった。
「……どうかした?」
 はるちゃんの顔が、また赤くなる。
「ごめん。千波さんにアイス食べさせてるとこ想像したら……」
「……したら?」
「エロかった」
「なっ……!」
 私の顔も赤くなる。
 はるちゃんは、ニッと笑った。
「見たいなあ、エロい千波さん」
 逃げようとする私を、はるちゃんはガシッとつかまえている。
「ちょっとはるちゃん」
「見せてよ、エロい千波さん」
 腰と後頭部をつかまえられて、身動きできない。
「は、はるちゃん」
「千波さん……大好きだよ」
 はるちゃんが、私にキスをする。
 熱くて、深いキス。
 キスの合間に、私も伝えた。
「はるちゃん、私も……大好き」
 キスはどんどん深くなって。

 引っ越しの片付けを、次の日に持ち越したのは言うまでもない……。


< 10 / 10 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:23

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

おやすみ、僕の眠り姫

総文字数/8,150

恋愛(純愛)4ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
僕の 僕だけの、眠り姫 ========== 「トナカイとメリークリスマス」の少し前のお話です。
トナカイとメリークリスマス

総文字数/4,075

恋愛(純愛)2ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
クリスマスの日 仕事をしてたはずの彼が トナカイになってやって来た ========== 続きのお話 「おやすみ、僕の眠り姫」
表紙を見る 表紙を閉じる
須藤隆春 小平太一 それぞれの2月14日 =============== 「病気の時は」 「ずっと一緒に 〜後輩男子の奮闘記〜」 「夕ご飯を一緒に 〜腹黒イケメン課長の策略〜」 続編です。 併せてお読みいただければ幸いです。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop