愛され妹っ。
「門までついて行くから、大丈夫だから行こ?」
遥くんに腕を引っ張られそうになったけど、私はその手から逃れた。
「……無理、行けない」
由奈ちゃんの勝ち誇った笑顔が忘れられなくて…
でも、学校でも家でも顔を合わさないと、いけない。
そんなことを思うと、涙が溢れてきて前が見えない。
そんな私を、遥くんは、よしよししてくれて、
もう片方の手で誰かに電話をかけた。
「…あ、もしもし、俺。何、酷い事言ったの?
すごい傷ついてるんだけど、相手が兄貴でも怒るよ…
学校も行かないって言ってるし…」