その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党
君のためなら何でもするよ



健太郎は、さっそく、ロビンのために行動を移す。
ロビン自身も仕事に穴をあける事はせず、昨日の出来事をEOCのメンバーにちゃんと報告して丁寧に謝った。


「ロビンが無事でさえいれば大丈夫。
あとは、明智君がそいつを抹殺するはずだから」


トオルは面白がってそう言った。


「抹殺?」


ロビンが驚いて聞き返すと、今度はジャスティンが首を傾げながらこう言った。


「逆にまだ抹殺されてないのが不思議なくらいだよ。
明智君ほどのスナイパーなら、その加賀谷っていう男くらい一撃だと思うけど」


ジャスティンの言葉にトオルも謙人も笑いながら頷く。


「ロビン、明智君と幼なじみだった事に感謝しなきゃ。
彼ほどの優れた守護神はいないよ。
ある時は聖者で、ある時は暗殺者で」


「魔法使いもあるぞ」


「錬金術師か、勇者か、時には可愛いワンコか」


ロビンが訳が分からず戸惑っていると、謙人がロビンの肩を抱いた。


「それくらい明智君は有能で可愛い奴って事だよ。
でも、その明智君を狂わす事ができるたった一人の人物が、ロビンさ。
あ~、狂わせてほしいな~
あの明智君がハチャメチャになるところを見てみたいよ」


ジャスティンもトオルも納得して頷いている。
ロビンは改めて健太郎の凄さに気付かされた。
だって、今ここにいる人達も負けずと凄い人達だから。

ロビンは皆に会釈をして、仕事に戻った。
今日は朝から健太郎はここにはいない。
どこへ行っているのかはスケジュールを見れば分かる事だけど、ロビンはあえて見る事はしなかった。
いい意味だけを信じて、ケンに全てを託したから。


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