【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ
「てか、水瀬はなんでこんなことすんの?」
「え、それは……女子力アップしようと思って。あの若宮さんに効果絶大って教えてもらって……」
「絶大にも程があるだろ」
それは私も感じたことで……なんて、白坂くんを前にしてとても言えない……。
「俺以外の誰にその可愛さ振りまくつもり?」
答えろよ、と私の口から出てくる言葉を急かす。
押し黙る私の髪にキスを落とすと、白坂くんがそっと目を上げた。
「だっ、誰にも、するわけないじゃん……」
「そんなことしたら許さないからね?」
私がうん……と返事をすると、名残惜しそうに指を解いた。
心臓がドキドキうるさい。
白坂くんといると顔が赤くなったり頭が真っ白になったり、本当に忙しい。
今日学んだことは、白坂くんはもしかしたら独占欲みたいなものが強いのかもしれないってこと……。
他の席で勉強している人が顔を上げてチラチラこちらを見ている。
「し……白坂くんっ、ほら……他の人が見てるよ……!」
「だったら何?」
「人の目がある場所では、やっぱりこういうことは控えてほしいっていうか……」
「控えてるけど?」
どこがよ……。
嫌じゃないのに、慣れないし恥ずかしいからどうしても白坂くんから目を逸らしちゃう。