医者嫌いの彼女

告白

ー翌朝ー

目を覚ますと、隣でよく寝ている亜妃。
どうやら発作もなく寝れたようだ。

…聴診器だけでも持ってくればよかった。
まぁ、呼吸も落ち着いているようだし、
とりあえずは大丈夫だろう。

今日も仕事だし、一旦家帰らないと。
申し訳ないが亜妃を起こすことにする。

「…あき、あーきちゃん」

俺の声にうっすら眼を開け、しばらくの沈黙。

亜妃「わっ‼︎」

「起こして悪い。俺帰るけど…」

亜妃「えっ…あ、はい。」

まだ寝起きだからか、しどろもどろな反応。

亜妃「あ…あの。ありがとうございました。」

ベッドに律儀に正座をして頭を下げてくる。

「どういたしまして。寝れたようで安心したよ。
また何かあったら連絡して。」

そう言って玄関に向かう。
後ろから追いかけてくる亜妃。

靴を履きながら、思う。
忘れないようにきちんと言っとかないと。

「…来週の診察日は忘れんなよ。
薬、ちゃんと飲めな?」

亜妃「…はい。」

また泣く羽目になるんだから。
と言いたかったが、これは黙っておいた。
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