ウブで不器用なお殿様と天然くノ一の物語
「知ってるわけないじゃない。
あ、言わないでよっ⁉︎
院長先生には心配かけたくないんだからね。」

どうやら、誰も知らないみたいだな。

「心配かけるって自覚はあるんだな。
だったら今すぐ辞めろ!
院長秘書がくノ一⁉︎
なんの冗談だよっ!」

「無理なこと言わないでよ。
“お里”はこれでも売れっ子なの。
それにやっと見つけた好条件のバイトなのよ?
辞めるわけないじゃない!」

「…お里……。」

ダメだ…くらくらしてきた……
コイツ…ひょっとして…楽しんでる⁉︎

「おーい。戻ってきて〜!
意識どっか行ってるよ?
あ、オーストラリアのお殿様達は?
アテンドしなくていいの?」

「……あ、ああ。
子供が眠たくなったらしくて、一旦ホテルに戻った。
俺が中学の時の、ホストファミリーなんだ。
1週間、日本に滞在する。」

明日から千葉だけどな。

「私、今からお昼ご飯なのよ。
休憩時間終わっちゃうから、もう戻るね。
お説教なら明日聞く。
でも、辞めないから。
院長先生に言ったら、彬良とは絶交だからね!」

「あっ、おいっ!」

絶交⁉︎

それは困る‼︎

ふと、くノ一カフェ『忍びの花園』の
看板が目に入る。

…明日は定休日みたいだな。
絶対逃さんぞ!




……あぁ…厄介な事になりそうだ……。

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