ウブで不器用なお殿様と天然くノ一の物語
久しぶりの焼肉。
外食をすることもあまりないから、
今日はたくさん食べるぞー!

食事中の話題の関心はどうしても健心にいく。
でも健心は、面倒臭がらず丁寧に答えている。

「中高一貫校なのよね?
やっぱり、一学年先取りで進んでるの?」

「うちは色々コースがあるんですよ。
俺の入ってるコースは一学年と言うほどでもないけど、進んでますね。
他のコースは、そのまま附属の大学に上がるので、のんびりしてますよ。」

「そっかー。
クラブ活動はしてるの?」

「サッカー、したかったんですけどね。
うちのサッカー部は全国大会出場の常連なんです。
将来的にもサッカーでやっていくようなヤツしか入れないんです。
けど、体は動かしたいっていう人もいっぱいいて。そんな人達が集まって、フットサル同好会を作ったんですよ。
そこに所属してます。
気楽ですよ。」

「あー、うちの大学と同じだ。
俺はずっとサッカー続けてたけど、フットサルにも参加してた。
初心者も沢山いたけど、楽しむことがメインだからな。
あれはあれで楽しかったな。」

共通の話題もあり、修司先生と健心は話が弾んでいる。

それにしても、彬良遅いな。
病棟で呼ばれたってLINE来てたけど、大丈夫かな?

「灯里ちゃん、彬良くんが気になる?
連絡入ってない?」

「うーん。
ちょっと病棟に呼び出されたから遅れる。
…の後は入ってませ……」

「あ、きた!」

店の入口から彬良が入ってきたのが見えた。
走ってきたみたいだ。
肩で息をしている。

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