不倫の代償

私達は 時々 遠くの街まで 出かけるようになった。

水曜日の昼間。

ドライブして。

食事をして。

一緒に 街を歩いて…


「博幸 何て言って 家を出るの?」

「うんっ?仕事って言う。」

「それで 奥さん 何も言わない?」

「言わないよ。俺がいない方が 自由でいいから。」

「そんなこと…」


博幸は いつも 休みなしで 仕事をしていることになる。

ほとんど 毎週 私に会っていたから。


少しずつ 罪悪感が麻痺して

大胆になっていく 私達。



本当に 奥さんは 何も 気付いてないの?

知らない振りを しているだけじゃない?


私 そのうち 奥さんに 訴えられたりしない?



博幸が 何も言わないから。

私は 何も聞かないけど。



このままでいいとは 思えない。




< 28 / 72 >

この作品をシェア

pagetop