チヤホヤされてますが童貞です

予想外のお題箱

「ただいま。」

家に着き、部屋の方へと歩みを進めると、ソファに座りながらテレビを見ている凛の姿があった。

「おかえ……あれ?服部さん?」
「お邪魔しまーす」

振り返りざまに声をかけようとした凛だが、一瞬服部を見て驚いた様子で目を大きくしている。

服部の手には箱があった。

(なんだろう?あれ…)

不思議に思いながら質問する。

「なんでここに?」
「いや、共同生活どんな感じかなぁって思ってねー。仲良くしてる?」
「そこは問題ないです」

服部の問いかけに綾斗が答えた。

「ふ〜ん? でも演技を見てる感じ…ウブなのに変わりはないみたいだけど?」
「っ………それはゆっくり克服を…」
「ヌルいヌルい。僕はそんな君たちをアシストするためにこの箱を置きに来たんだ。」

何故か詳しい話を聞かないまま、怪しさと、恐怖、要するに『嫌な予感』に2人は駆られる。

「1日に一回、この箱に手を突っ込んで紙を一枚引くこと。そこに書かれてることを必ずする。ただそれだけ」

「それだけって…」

「じゃ、健闘祈る!僕は帰るよー」

滞在時間わずか3分ほど。

いつも通り、服部は颯爽と帰っていった。
< 20 / 67 >

この作品をシェア

pagetop