生贄の花嫁      〜Lost girl〜
「あるわよ。あんたに何が分かるの?転校してきたから知らないんでしょうけど、散々なことしてきて全部親の力でもみ消してきたのよ。いじめ、暴力……普通だったら犯罪だって言われることもしてた。今更受け入れてもらえるだなんて甘ったれたこと言ってんじゃないわよ。」

「でもそれでもチャンスさえもらえないんですか?傷ついたのはあなたたちだけだなんて思わないで。彼女だってたくさん……。」


「花嫁候補だからってうるさいんだよ。あのガキの味方するならあんたも同じだよ。」
「あいつの味方するならあんたも傷つけ!」


パシャ


ガシャン


その言葉と共にグラスを投げられた。水は私の体にかかり空になったグラスは床に落ち粉々に割れている。


「花月ちゃ……。」


「ふざけんな!くそったれ。」

「おい……。」


「花月ちゃん、大丈夫!?」
「私は…大丈夫。それより楓ちゃんを追わないと。」

「花月ちゃん落ち着いて。」
「でも……。」



「…花月、すまん。」


トンッ


聖さんの言葉と同時に首に痛みが走る。意識が少しずつ薄れていき瞼が重くなっていった。
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