生贄の花嫁      〜Lost girl〜
「これってさ、前から思ってたんだけど、10人分の告白聞いてどうするの?」

「同感です。もっと興味深い企画を考えてほしいですね。」


「…2人とも文句言うなら見なければいいのに……。」
「そりゃ姫は楽しいだろうけどさー僕たち飽きてきた。」

「……それは2人がそういうことに縁がないからでしょ……?聖を見習って……」





楓ちゃんの言葉に私の胸が熱くなる。

そうだ……こういう企画が好きな人たちが多いんだ、なんて他人事に考えていたけれど、私もさっき聖さんに……


「花月は顔を赤くしないで!とにかく、桃瀬くんも藤林先輩もこれを機に勉強してください。」

「勉強ね……。」



「ありがとうございましたー。続いてNo.8の黄之竹泰揮くん、お願いします。」

「はい。」







突然会場が暗くなり、泰揮クンにスポットライトが照らされる。これも泰揮クンの演出なのかな……?


「Je vous aime.。」
「え、外国語…!?」


「なんて言ってるの…?」


「J’ai toujours voulu être à tes côtés. Je voulais être ton spécial. Ma seule Haduki. ……Quand je retournerais au manoir aujourd’hui, je veux que tu viennes dans ma chambre. N’en parlez à personne. 」



いま……泰揮クン……何て……?


「え…泰揮って外国語…話せたの…?これって何語……?」
「泰揮が外国語を話せるだなんて私も初耳です。」


「フランス語だよ……。」



会場がガヤガヤと騒がしくなる中、私には……泰揮クンが何と言っていたのか聞き取れた。誰に言ったことなのかも聞き取れた。



「……花月…?」



嬉しいことのはずなのに……喜びたい自分もいるはずなのに……それを拒む自分もいる。





「…おい、花月。」




私……まだ決められていないんだ。聖さんを選びきることを……。
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