生贄の花嫁      〜Lost girl〜
「全くもう、私がいない間になんでこんなになってんのよ。」

お昼ごはんは泰揮クン特製のホットサンドイッチ。それを口にしながら柚さんが話している。奏いわく、愚痴タイムというらしい。


「私も普段から掃除はするように言ってますがね、特に泰揮には。」

「もう、2人して意地悪ね。花月チャン、ママを助けて~。」

と、泰揮クンに手を引かれ後ろから抱きしめられる。



「何さりげなく抱きしめてんの、泰揮。」

「あらあ、ママが娘を抱きしめちゃダメかしらぁ…?花月チャン、こわーいパパとお母様がママをいじめるの。助けてくれる?」

「パパとは私のことですか…?」
「お母様って……私は姑って言いたいわけ!?」


間違いなく火に油を注いでいる。悠夜さんと柚さんの険しい顔が怖い。


「えー、それなら僕と劉磨は花月のお兄ちゃんね。花月、僕のことお兄ちゃんって言ってー。」
「え…!?お、お兄……ちゃ……。」

「…お、おい…そしたら俺は…。」

「聖は、僕たちに結婚を反対されているお婿さんでしょ。」


「そうよー。こんなに可愛い娘を嫁にはあげないわよー。」



なんだか騒がしいお昼ごはんだったけど、とても楽しい時間でした。
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