生贄の花嫁      〜Lost girl〜
―奏side―

あのあと、僕も聖の部屋に行って皆で勉強をしている。さっきは花月に言いすぎちゃったかな…。

正直ショックだった。たとえ事故でも花月からのキスだったのに…本人が覚えていないだなんて…。だからついテストで勝ったらデートしてほしいなんて言ってしまった。


「奏、大丈夫か?さっきからぼーっとして……花月のことか?」
「べ、別に!そんなことより勉強しなきゃ。」

「でも…教科書逆…。」
「あ…。」

「花月、ここ教えろ。」
「な、何様なんですか!」
「ん?俺様。」


「はあ…僕が劉磨に教えるよ。花月は自分のことやってなよ。」


ついムキになってしまった。劉磨なんかに嫉妬するなんて…

「あ、ありがとう…?」


君には…僕がどういうふうに映っているの?友達?同居人?それとも…
< 34 / 313 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop