隣のキケンな王子様!


「こっ、怖いんですけどーっ! いろんな意味でーっ!」



突然花火を見に行こうと言い出した郁己くんに、半ば強引に連れ出されたあたし。



てっきり電車で行くのかと思ったら、「乗れ」と言われたのは自転車だった。



しかも、花火大会会場とは反対の方向に向かって走ってるし。



道はどんどん狭くなって、家の明かりもとぼしくなってきている。



いったい、どこに連れてくつもり?



「花火なんて、ホントはウソなんでしょっ?」


「ウソまで付いて、重い荷物積んで、わざわざ自転車なんてこがねーよ」


「なっ! 重いって! 荷物って!」



失礼なっ。



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