隣のキケンな王子様!
だけど、お守りみたいな指輪を無くしたばかりのあたしには、亜矢子の正直な言葉はツライだけだった。
「亜矢子はさ、今が幸せだから、そんなことが言えるんだよ」
嫌味みたいな言葉が出てくる、自分の口がイヤだ。
「王子様がどれだけ心の支えになってくれてたかなんて、亜矢子には分かんないじゃん」
でも、止められなくて。
「王子様が現れた亜矢子には、あたしの不幸なんて分かるわけないんだよ」
「由梨……」
「分かんないよ……亜矢子には」
口を結んだあたしはうつむいた。
友達に八つ当たりしてる自分が情けなくて悲しくて。
……涙が出そうだったから。