隣のキケンな王子様!
「あたしだって……幸せになりたいもん。不幸なままなんて、もう、イヤなんだもん」
「オレは、ちゃんと確かめたのかって言ってんだよ。まさかこのまま部屋に上げるんじゃねーだろーな」
「い……郁己くんには関係ないでしょっ」
血がのぼったあたしは、声を張り上げていた。
「なんか……どーしたの? 王子とかウソとかって何?」
状況がわかっていない彼女は、あたしと郁己くんを交互に見て首をかしげている。
「っていうかさ、郁己。終電ヤバい。早く送ってってよ」
彼女に腕を取られた郁己くんの足が、1歩後ろに下がった。