隣のキケンな王子様!
まぶたをグッとこすって、アパートの敷地に足を踏み入れると、
「ったく、信じらんないっ」
「……?」
裏側の玄関口の方から出てきた女の人とすれ違った。
長い髪をかきあげて、ヒールを踏みならして、何だかすごくカリカリしている。
不思議に思いながら2歩目を踏み出すと、
「ったく、サイテー!」
「……?」
また、女の人が現れた。
茶色の立派な巻き髪に、超ミニのスカート。
すらりと伸びた細い足で、あたしの横を台風みたいに通り過ぎていった。