隣のキケンな王子様!


まぶたをグッとこすって、アパートの敷地に足を踏み入れると、



「ったく、信じらんないっ」


「……?」



裏側の玄関口の方から出てきた女の人とすれ違った。


長い髪をかきあげて、ヒールを踏みならして、何だかすごくカリカリしている。



不思議に思いながら2歩目を踏み出すと、



「ったく、サイテー!」


「……?」



また、女の人が現れた。


茶色の立派な巻き髪に、超ミニのスカート。


すらりと伸びた細い足で、あたしの横を台風みたいに通り過ぎていった。



< 349 / 458 >

この作品をシェア

pagetop