隣のキケンな王子様!
「オレが振られるのでも期待してたか」
「「「いやいやいやいや、そんな」」」
「まあ、いい。ついでだからお前らにも聞かせてやるよ」
視線を戻せば、オレを見上げるきょとんとした顔。
……キスはマズイか、やっぱ。
残念なことに、泣きやんでるし。
「由梨ちゃん。いや、由梨、」
「……は、はい?」
「いつか、オレが王子になるからな」
「……え?」
再び隣同士になれたことが、もしも運命なのだとしたら、
そうなっても……おかしくはないだろ?
「必ず、オレを好きにさせてみせるから。そのつもりでヨロシク」
「……っ」
だから今は、このくらいで勘弁しといてやる。
――この小さくて愛しいカラダを、
きつく抱きしめる程度で。
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