隣のキケンな王子様!
『イクミー? 帰ってきたのー?』
ん? ……この声、さっきの女の人?
「やべ。避難するぞっ」
「え? ちょっ……」
素早く立ち上がった男の人にがっつり腕をつかまれたあたしは、急なことに足がついて行かず。
「きゃっ」
黒いTシャツの胸になだれ込んだ。
その途端。
――カチャ。
開いた玄関ドア。……の、向こうで、
「イクミ? ……ちょっと! 誰? その女っ」
叫ぶ女の人。
「あーあ」
やっちまった、みたいな声を出した男の人の腕の中、
「?????」
あたしだけが意味不明のまま、そんなふたりの顔を交互に見比べていた。