隣のキケンな王子様!
「あ~あ……。また引っ越すことになったりして。っていうか、引っ越したい」
「でも面倒じゃん。お金だってかかるしさ」
「そうなんだよね」
「まあ、ガマンするか、仲良くなるか、どっちかで頑張るしかないんじゃない?」
「もー、簡単に言わないでよ~」
やっぱりあたしって、ツイてないんだなぁ。
「あ、もうすぐチャイムなっちゃう!」
「あ、ホントだ」
亜矢子とあたし、午後の講義は別々。
「じゃ、終わったらメールするから」
「うん。はあ……」
「なにため息ついてんの~? 今日は花火大会なんだからさ、もうちょっとテンション上げてよ」
「うん、そだね」
「それじゃ、また帰りに」
「うん」
ふたりでパタパタと食堂をあとにして、あたしと亜矢子は別々の棟へ向かった。