秘密の恋
っ!そんなこと言われたら……。


『ふ、うぅ……ヒック!あ、あぁヒッふぇ〜ん』

思わず涙腺が緩んで泣き出してしまった。


「こんなになるまで我慢しなくていいだろ……?」


そう言って先生は私を抱っこした。


『ヒックせんせ?ふ、うぅ何、してるのっ?』

「何って抱っこ。軽いなぁお前」

生徒にこんなことしていいの?


『うぅ……セクハラぁ』

思わずそう言ってしまった。


「なんとでもいえ、ばーか」

そう言って屋上の重そうな扉を軽々と先生は開けた。

ギィ────


「『寒っ』」


ハモった!


顔を見合わせて先生と一緒に笑う。
その笑顔にドキッと心臓がはねた。
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