私に恋する可能性



生徒玄関につくとなにやら騒がしい声が聞こえた


「あ、あいつら」




的場くん達だ

多岐くん待ってたのかな


「あ、多岐ー!」



…あーそっか


なんか一緒に帰れるとか思ってた



甘い甘い


最近ちょっと甘えすぎだ


忘れるところだった


多岐くんを落とそうとしている最中だってことを


絶賛…片想いだってことを



「あれーゲームちゃんじゃん」


ゲームちゃんだと!?

なんちゅうあだ名つけてんねん君ら


「あー…えっと」


多岐くんが言葉をつまらせた

私はさっと靴を変えて多岐くんを見た



「あ、多岐くん!ありがとうございました!」


助けにきてくれて…本当にありがとう


「私はここで!」


「え、ちょっ」


「また明日」


ペコっと頭を下げて駆け足で生徒玄関を抜けた




そのまま校門までいく


そして校門をでて角を曲がったところで


スッとしゃがみ込んだ


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