私に恋する可能性



もう直ぐ9時だ


お兄ちゃんには連絡したけど



やっぱこんな時間に電車に乗るなんてちょっと心細いな


…


駅のホームには大人しかいない


少し心許ない時間


電車が来るまで特に何も写ってないスマホを眺める


パーっと音がして電車がやってくる


こんな時間でも人はいるんだ


大丈夫、たったの3駅分だ


見慣れない顔ぶりの人がいっぱいいる車両


ドアの近くに立つ


規則的な電車の揺れを感じる



…出発して間もない時



……?


…


きの、せいかな


足が…ぞわぞわする


そっと後ろを見た


っっ!


…う、そ


顔を戻して硬直する



四十代くらいの髭の生えた男


私の直ぐ後ろにいる


…


これ、さ、触られ…っ


ヒュッと息を吸う



声が…


声が出ない


怖い…


やばい


え、どどうし、こういうとき


う


やばい


吐きそう


はき、そう


うっ



震える


ガタガタと手が震え、変な汗が落ちる



助けて



ぎゅっと目を瞑る




< 153 / 270 >

この作品をシェア

pagetop