私に恋する可能性



その日の授業には全く集中できなかった


まあいつも集中してないけど



「遥ぁ」


昼休み、机の上でだらけていると女の香水の匂いが近づいてきた


「んー?」


「なーんか遥最近付き合い悪くない?」


「そー?」


「私達の誘い受けないじゃん、ていうかまだ付き合ってるってマジ?」


あー


「まあ」


「もういい加減遥からフっちゃいなよ」


「…俺は女の子フラないのー」


…そう、それだけの理由


間部ひなたと関係が続いているのはそれだけ


俺が自分から女子をフラないから


あいつが諦めない限り、この関係が続く


…


間部ひなたはゲームの相手


…そのはずなのに


俺の心臓は最近誤作動しかしない



「ね、遥ぁ私と付き合お?」


…


「やめとく」


「なんでよー」


今は手一杯だから


ブーブー文句を言ってくる名前がはっきりわからないこの女を見る


…


心臓は至って正常


やっぱりあいつにだけだ




「あ、犬飼センセーじゃーん」

「今日もかっこいいね先生」


不意に女のそんな声が上がった


犬飼?

なんでここに?


「うるせぇ、多岐いるか?」



…俺?





< 184 / 270 >

この作品をシェア

pagetop