私に恋する可能性



「ひなた悪いことは言わないから…ね?」



さっきから心配そうに私にみっちゃんが声をかけることになったのは


一番初めに遡りまして


今朝、登校してすぐ、ほんとすぐっ


な、な、なんと!私は多岐くんに告白されたんです!


キャァー!

やぁだぁー恥ずかしいー


なんか理由があるんだって言い張るみっちゃん



理由なんて私が好きだから告白したんでしょ?


それ以外の理由で人に付き合ってなんて言う?


もし別の理由があったら、あったら…それは結構変わってるね


それなのにみっちゃんは絶対違うからと謎の主張を繰り返す


やだなぁ


私はずっと片想いしていた相手に告白されて

一番言ってもらいたい言葉を言ってもらって

今、最高に気分がいいんですよ!



「みっちゃん!私は幸せのバージンロードを歩いているよ!」


「はぁぁ」


ヌフフ


私のキラキラスペシャルウルトラグレードホアグラアオハルライフはこれから始まるのよベイビー(カタカナが多い)



「と、言うわけで!多岐くん達がご飯食べてるところに乗り込んで来ます!」


「ちょちょ、待ちなさい」


ほえ?


「何しに行くつもり?」


「え、一緒に帰ろって」


だって恋人なんだよ?

一緒に帰ったりするんでしょ?


「やめたほうがいい」


「えー?なんで」


「いいから…今日はやめなさい」


えーブーブー


「だっておかしいでしょ?関わったことあるの?多岐って人と」


「そりゃもちろん…」





あれれ?


そういえば


春に迷った時依頼…話したことない気がする


「はぁ、やっぱり」


え、じゃあなんで告白してきたんだろう


あ!そうか!


「多岐くんも私に一目惚れしたんだ!転がるように恋に落ちたんだよ!」


そうに違いない!


私と一緒だ!



「ひなた…」


「よし!じゃあ行ってくるね!」


みっちゃんが手を伸ばしたように見えたけど動き出した足は止まらないので失礼する

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