新 不倫
「ブランコの横で倒れていた妻を見た時、何が起きたのか分かりませんでした。
目の前で、自分が殺そうとしていた妻が死んでいる。
自分が殺そうと決めた妻が、
既に誰かに殺されている。
頭の中がパニックになって、
俺は・・・逃げました・・。」
「ちなみに、その帰り道に誰かとすれ違ったかどうか覚えていますか?」
「・・・泥酔していたカップルとすれ違ったはずです・・。
顔を見られないよう、俯きながら足早に去ったのを覚えています・・。」
「・・・・・星野君。
どうやら本当の第一発見者はあの破廉恥カップルではなく、平山さんだったようですね。」
これなら・・長くんが暴いてくれた、
被害者の衣服や公園のブランコに付いていた指紋の事も一応は辻褄が合う・・。
だけど・・・信じていいのか・・?
「星野君、貴重なお話を聞けた事ですし、
今日はもう帰りましょうか。」
「御意。」
「平山さん、岸本さん。
ご協力ありがとうございました。」
「「・・・・・・・。」」