新 不倫
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「もういつもの口調に戻してもいいですか?」
「いっそのこと、このままキャラ変更したらいかがですか?」
「・・今さら勘弁してください。
想像以上に僕には荷が重すぎました。」
署まで戻る道すがら、豊川さんの眉間のシワはいつも以上に寄っていた。
「謎が深まっただけですね。」
「ですね・・。進展したようで、
事態は何も変わっていません。
むしろ悪化した印象があります。」
「唯一の収穫は、容疑者候補がもう一人増えたという事でしょうね。」
「・・岸本ナオ・・・。」
平山さんが“白”と判断できたわけではない。
僕も一端の刑事。
死者の言葉には寄り添いたいけど・・
生きてる容疑者候補の言葉にはどうしても疑いを持ってしまう。
彼の証言をそのまま信じれば、クミコさんは他の誰かに殺されたという事になる。
だけど、彼が本当に正直に話している確証はどこにもない・・。