新 不倫
「それからもう1つ。
電話で“奥さんと思われる身元不明の遺体が見つかった”って伝えたら、
第一声で何て答えたと思う?」
「・・・・・?」
「【自殺ですか?】ってよ。
取り乱した様子もなく、淡々とまず最初にそう聞いてきやがった。」
身内や大切な人が“亡くなった”と聞かされた時、
大抵の人は、“いつですか!?”とか、
“どうしてですか!?”とか、
いやそれ以前に、“・・は・・?”と、
僕達警察からの連絡に対し、しばらく現実を受け入れられず何度も聞き返してきたり、
“ウソはやめろ”
と現実逃避をする傾向にある。
だから関本主任の言うとおり・・
確かに腑に落ちない。
「色々と事情を聞いてみる必要がありそうですね・・。」
「今回はお前にもテツさんにも被害者が視えないんだろ?
こんな展開はかなり久しぶりだが、
こういう時こそ俺達の出番だ。
今回はお前も霊視刑事じゃなくて、
“一刑事”として靴底減らしてもらうぞ?」
「はい・・!」
関本主任が発した“テツさん”というワードを聞いて、
豊川さんの姿がいつの間にかいなくなってる事を思い出した。
喫煙所かな・・?
屋上に設置されているそこへと階段を昇っていった。